不動産売買の主役として、やはりマンションは無視できないボリュームを占めています。一口にマンションといっても、土地や建物によってさまざまな違いがあり、より有利な売買を実現するためにはマンション建設に関わった人々についても注目する必要があります。
法律が定めるマンションの詳細や、マンション建設に関わる人や会社について見てみましょう。
法令用語としてのマンション
2001年施行のマンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)において、マンションははじめて法令用語とされました。
同法におけるマンションの定義では、
- 複数の店舗や事務所と居住となる専有部分が1戸以上ある建物
- 区分所有者が最低2名以上いること
の2点が定められています。
オーナーマンションはマンションではない?
同法でいうマンションは区分所有法の適用対象であることと、分譲マンションにおける管理を想定したものであるため、オーナーが1人で賃貸に供されているマンション(オーナーマンション)などは、マンションとされていません。
ただし、2人以上いた区分所有者が1人になったときなどは、従前の区分所有法は適用されるのに注意が必要です。
都市部の住居として重要な役割を果たしているマンション
国土交通省の調査によると、2009年末の全国の分譲マンションストック戸数は約562万戸とされています。この数字からもわかるように、都市部の住居としてマンションは重要な役割を果たしているのです。
事業者の種類に応じていくつかの種類がある
住宅は事業者の種類に応じて、分譲と賃貸、コーポラティブハウスに分類されますが、このうち不動産売買の対象となる分譲は、事業者が不動産会社であり、住戸ごとに区分し売買するものを指します。
したがって分譲マンションとは、鉄筋コンクリート造ないし鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅のうち、事業主が不動産会社で住戸ごとに区分し売買するものとなります。
マンション建設に関わる会社も数多い
マンションのチラシを見ると、欄外に小さい字で色々と会社名が書いています。実はこの欄には「マンションを誰が作ったか」という情報が含まれています。
マンション選びには、「信用できそうな会社が作っているかどうか」も、判断基準になるポイントです。では、マンション建設にはどんな会社が関わっているのでしょうか。
設計事務所などの設計者
設計というとデザインを決める有名建築家を思い浮かべますが、自然災害にも耐えられる構造設計や、住居として不可欠な機能を提供する設備設計まで含みます。
設計者は、設計事務所として設計だけを専門にしている会社のケースや、施工会社に入っている設計部門が設計をするケースもあります。
建設会社などの施工会社
建物の品質は施工会社の技術力で決まる部分が大きいので、実際にマンション建設を担当する建築会社(施工会社)はもっとも注目したいポイントです。
大手ゼネコンなどの上場企業は、万が一ミスがあると世間的なバッシングの対象となり、経営にも大きなダメージを与えるので、施工後のチェックを厳重になる傾向があります。担当者に影響される部分もありますが、やはり大手ゼネコンの施工ならば安心できる要素といえるでしょう。
設計監理を担当する施工管理会社
施工会社は設計図に沿って建設を進めますが、設計図に含まれる情報は多岐に及ぶので、設計図通りに工事が進んでいるかを第三者目線でチェックする必要があります。
マンションに限らず大きな建物の建設では、必ず施工管理会社が入って、設計図通りに工事がされているかを確認しているのです。
マンション建設に関わる人は数多い
日本の都市部の住宅事情を底支えしているマンションですが、その数百万戸を供給していることから、マンション建設に関わる人は数多くなります。
不動産売買では、マンション建設に関わった人にも注目してみると面白いかもしれません。