マンションの購入予算は、年収を目安に考えることができますが、住宅ローンの金利や頭金、本人の年齢や共働きかどうかなどの個々の状況がどれだけのローンを組めるかに大きく影響してきます。
今回は、さまざまな角度からマンション購入と年収の関係を見てみましょう。
マンション購入の目安は年収の何倍?
マンションを購入しようと考えたときに、最初に考えるのが「予算」です。予算オーバーの物件に手を出して、金銭的な負担が大きくなるのは避けたいもの。
では、自分の年収の何倍程度が無理なく買える価格なのでしょうか。マンション購入の予算を考えるときは、「年収倍率」が1つの目安になります。
「年収倍率」から予算の目安を考える
年収倍率とは、住宅価格が年収の何倍に相当するのかを比率で表したものです。年収倍率が高いほどローン返済が重荷となり、低いほど負担が小さくなります。
年収倍率からマンションの購入予算を考えるのは、自分の年収を把握しておけば大まかな金額をすぐに算出できるので、もっとも手軽な方法です。
みんなが買ってるマンションは?平均で年収の5倍~7倍
住宅金融支援機構の2018年度の調査結果によると、マンションを購入した人の年収倍率は、新築マンションでは6.9倍、中古マンションでも5.7倍となっています。
直近10年のマンション価格水準は上昇傾向だったことを思い出しましょう。マンション価格の値上がりと歩調を合わせるように、マンションを購入した人の年収倍率も上がっているのです。
マンション価格は一貫して値上がり傾向が続いている
マンション価格の値上がりの背景には、地代や建設費の高騰や安かろう悪かろうから高くても良いものへの路線転換など、さまざまな理由があげられますが、全体として値上がり傾向が続いているのは確かです。
マンション価格の値上がりが続いていますが、首都圏のマンション購入時の年収倍率を見ると、新築マンションは首都圏平均で11倍近く、中古マンションでも東京都では9倍超えと、かなりの高水準で推移しています。しかし実際には、年収の7倍から8倍程度の年収倍率で済むケースは少なくありません。
高所得層ほどマンション所有の傾向が強い
データでは東京都の新築マンション価格は年収の11倍を超えていますが、これは平均年収600万円をベースとしているからです。実際に都内で新築マンションを購入しているボリュームゾーンは年収1,000万円を超えるケースが多く、新築マンションの購入でも年収7倍程度に収まると考えられます。
また、一昔前と比べると住宅ローンの設定が借り入れ側に極めて有利になっている点も見逃せません。
一昔前とはローン借り入れに有利になっている
一昔前の住宅ローンは、旧・住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)をはじめとする公的融資が主流で、バリエーションが多彩な反面、金利も現在よりも高いのが普通でした。また、銀行の住宅ローンは公的融資の不足を補う存在でした。
現在の住宅ローンは、その大部分が住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供する長期固定金利で繰り上げ返済にも有利なフラット35を占めています。このように、一昔前と比べるとローン借り入れ側に有利なのは、大きな変化といえます。
買いたい物件と年収のバランスを考える
マンションを購入するときには、どのくらいの金額であれば無理なく返済できるのかは気になるところ。
自分の年収に応じて借入可能額と返済可能額を把握して返済計画を立てることが欠かせません。無理のない返済計画を立てることが、マンション購入の第一歩なのです。